撥水加工を施したのれんの取り扱い方法
まず撥水加工をすると、どんな場合でも濡れても大丈夫だと
思いがちですが、洗濯すると被膜がひび割れてしまうといった
現象が発生します。
撥水のれんだと大丈夫だからと考えて洗濯して使い続ける
場合がありますが、一度ひび割れてしまうとそこから
水が入ってしまいますので、撥水効果がなくなってしまいます。
それを防ぐためには洗濯した後は必ずアイロンをかけるようにしてください。
アイロンをかけるとひび割れが修復されますので、撥水効果を取り戻して
利用する事が可能で、洗濯後のアイロンの繰り返しは20回程度可能と
なりますから、それを耐久性の目安として注文すると良いでしょう。
また雨に濡れた場合も同様となりますから数十回程度の耐久性があると考えるのが良いかもしれません。
防炎加工と撥水加工を同時に撥水のれんに求める方がいますが、
これは片方のどちらかしかできませんので注意してください。
なぜ撥水加工は水を弾くのか?原理と技術に迫る
普段身の回りで使っている衣類や傘など、たくさんのものが撥水加工されて
便利に使っている方であっても、その水をはじく原理などを深く考えることは
あまり多くはないのではないでしょうか。
そもそもその原理をJIS規格の定義として考えた場合、繊維製品に水をはじくための
加工を施して、その機能を与えることを指しています。
また、水をはじいているかどうかは固体の表面に液状のものを置いて
接触角度を測定することで、固体が液体を弾いているかどうかを数値化出来ると考えられます。
つまり、接触角度が90°以下であれば、撥水加工が繊維製品上などで機能していると
証明されると同時に、それが撥水加工の基本的な考え方であるとして
広く認知されていることにもなります。
なお、繊維上に液体よりも低い臨界表面張力を持つ層を形成する
一種の表面改質加工を作り出すためには、これまでワックス系やシリコーン系撥水剤が
使われてきましたが、現在はフッ素系が主流となっています。
注文前に必要な準備
デザインに関しての注意点になりますが、基本的に全面印刷、写真印刷、
フルカラーといった事も可能となっています。
しかし、細かい色指定だと分かり辛い点がありますから、サンプルや現物見本を
送付する等して確認する事が必要であり、校正等の作業もありますから
スムーズに依頼できるように準備しておいてください。
しっかりとした撥水のれんを作成する必要がありますから、注文から納品まで
1週間から2週間の時間は必要となります。
撥水加工がしっかりとされてデザインや色指定も間違いがないのに設置環境、
染め方、色の濃度、素材によって商品に誤差が出る可能性があります。
先ほども言いましたように状況や使い方によっても劣化の仕方に差が生じますので
耐久性や寿命を分かった上で購入しないといけませんし、それを見越して複数依頼したり
素材を変更したり、設置場所を考えたりしましょう。
単価は高くなりますがエステルや綿よりもエクスランの方が耐久性が高くなります。