本格的な雰囲気が出せる印染め
印染めとはのれんづくり(手ぬぐいや風呂敷にも使われます)に
古来からよく使われているもので、室町時代から続いている
染めるための技術になります。
この呼び名は、家紋などのような何かを象徴する印などを染めるところからきています。
よって、この技術で染めたものはくっきりとした模様に仕上がるので
遠くからでもすぐにわかるのが特徴で、グラデーションの表現にするのは
基本的にはできません。
しかし職人に技術があれば、ぼかしたように仕上げることも可能な染め方です。
刷毛にて引く工程も中にあるので、引き染めとも言われています。
元は鎌倉時代に渡来した印花麺から糊防染が開発された事をきっかけとして、
印染めの技術が可能になったとされています。
その後戦国時代が終わり戦さの心配がなくなった江戸時代において、
識字率の向上や庶民も文化的な事に親しむ環境になったことから、急速に発展したという歴史があります。
印染めの工程は、具体的には染めるところと染めない(染めたくない)ところに分けて、染めないところに印をつけて染めます。
生地をしっかりと貼って、直接刷毛で描いて染めていきます。
これらは1枚1枚を職人が丁寧に染色していくので、職人によって仕上がりが変わりオリジナル要素が強くなります。
また、この染め方はそれぞれを職人が染めていくため、多量生産には向かない方法で
高い技術を求められるので、線の細さや色の違いの仕上がりに行った職人の腕が問われます。