のれんが活躍する場面

日本料理店などに見られる伝統的紋章入りの暖簾

のれんを製作する前に考えたいこと料亭や和食処、甘味店や和菓子店など日本には他の国では見られないような独特の飲食店が数多く存在します。

こうした日本式の伝統的な飲食店では、派手な客寄せや呼び込みをすることは殆どありません。それは品性を損ない、安っぽい業態であると思われるのを嫌い、伝統と格式を重んじているわけです。

こうした料亭や和菓子、高級すし店であることを示すものとして暖簾が用いられます。
格式高い品性のあるシルクスクリーンの暖簾をかけておけば、日本人であればそこが伝統的な日本の飲食店であることが一目でわかるのです。

伝統的なのれん

さらにそのシルクスクリーンの暖簾に家紋がデザインされたものも、日本では頻繁に目にすることができます。それがデザインされていることで、日本のトラディショナルな食事や料理が提供されることが一目でわかります。

家紋は先祖代々からの紋章であり、種類も実に沢山あります。なかでも武家の紋章がデザインされていると
皇室との関係などもうかがい知ることができ、信頼性の高い歴史の長い飲食店であることを多くの人に示すことが可能となります。

シルクスクリーンにデザインされることで、社会的信頼性の高さを多くの人々に語らずとも表出することもできるわけなのです。

コーポレートアイデンティティを印象づける暖簾

家の紋章がデザインされていると、歴史が長く社会的に信用のおける飲食店であることを示すことができます。
それと同時に飲食店などは、シルクスクリーンにさらにコーポレートアイデンティティなどを表出できるデザインをしたいと考えるものです。

チラシをばらまいて客寄せしたり、店の表に立って大声で客引きが出来ない伝統的な日本の飲食店では、
コーポレートアイデンティティは暖簾でしか表現することができません。のれんで印象を決める

そこでいかにお客様の眼につき、通りがかりでも気になるようなデザインで、
一目で店の雰囲気や何を提供している店であるかを表現しなければなりません。

それには印字するプリント文字も毛筆体で鮨や甘味処と印字したり、そこに朱色の落款などを印刷すると
店のアイデンティティが瞬時にわかるようになります。落款の朱色は通りがかりの人にも目につき、
何の店だろうと注意深く見るようになるのです。

そしてシンプルに端的に鮨という文字が目に入れば、伝統的で落ち着いた雰囲気で高級感のある
すし店であることを想像させ、印象に残るようになります。真っ白や落ち着いた鶯色、高級感ある
紫のシルクスクリーンに毛筆で鮨とシンプルに印刷され落款があるだけで、店の清潔感が伝わり信頼性も高まるのです。